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再処理技術開発センター
JAEA-Evaluation 2015-012, 83 Pages, 2015/12
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という。)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」及び「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規定」等に基づき、第2期中期目標期間(平成2226年度)における軽水炉使用済燃料の再処理技術開発及び民間事業者の核燃料サイクル事業への支援として「核燃料物質の再処理に関する技術開発」に係る事後評価を研究開発・評価委員会(高速炉サイクル研究開発・評価委員会)に諮問した。これを受けて、高速炉サイクル研究開発・評価委員会は、第2期中期目標期間における軽水炉使用済燃料の再処理技術開発及び民間事業者の核燃料サイクル事業への支援について、妥当であると評価した。
更田 豊志; 杉山 智之; 笹島 栄夫; 永瀬 文久
Proceedings of 2005 Water Reactor Fuel Performance Meeting (CD-ROM), p.633 - 645, 2005/10
NSRRでは軽水炉燃料の反応度事故(RIA)時挙動の研究を行っている。最近実施したOI-10及び-12実験では燃料破損には至らず、OI-11実験では破損時エンタルピが高いという結果を得た。これらの結果は、PWR運転中の耐食性が向上した新型被覆管の性能を反映しており、これらの被覆管を備えた燃料はジルカロイ4被覆燃料に比べてより大きな安全裕度を有すると言える。加えて、大粒径ペレットによる粒界ガス蓄積量の低減は、OI-10実験で観測されたように、RIA時のFPガス放出量を抑制し得る。VA-1実験は燃焼度78MWd/kgUのMDA被覆PWR燃料に対して実施した。高い燃焼度及び約81mという厚い酸化膜にもかかわらず、破損時エンタルピは燃焼度5060MWd/kgUで40m程度の酸化膜を持つ燃料に対する結果と同程度だった。この結果は、ペレットの固体熱膨張がPCMIの主要因であるため、ペレット周辺部の高燃焼度組織(リム組織)が破損時エンタルピの低下に及ぼす影響は小さいことを示唆している。
杉山 智之; 永瀬 文久; 中村 仁一; 更田 豊志
HPR-362, Vol.2, 12 Pages, 2004/05
軽水炉の安全規制に活用されるデータベースを提供するため、原研では、異常時及び冷却材喪失事故(LOCA)や反応度事故(RIA)等の想定された事故条件下における燃料挙動を明らかにするための研究を行っている。LOCA研究では急冷破断試験及び被覆管の酸化速度や機械特性に関する分離効果実験を行っており、照射被覆管を用いた試験に先立ち、運転中の腐食や水素吸収が及ぼす影響を調べる試験を非照射被覆管により実施してきたが、最近、照射被覆管を用いた試験を開始し、結果を得た。RIA研究では、高燃焼度燃料を対象とした一連のNSRRパルス照射実験を行っている。本論文は、原研のLOCA及びRIA研究で最近得られた結果を報告するものである。
ハルデン共同研究合同運営委員会
JAERI-Tech 2004-023, 38 Pages, 2004/03
日本原子力研究所は国内の諸機関との間でノルウェー・ハルデン市にあるハルデン沸騰型重水原子炉(HBWR)を利用した複数の共同研究を行っている。これらの共同研究は、OECD/NEAハルデン原子炉計画(ハルデン計画)への原研の加盟期間の更新に合わせて、3年ごとに更新する共同研究契約に基づいて実施している。本報告書は、各共同研究について、その目的,内容及び2000年1月から2002年12月にわたる3年間の研究で得られた成果の概要をとりまとめたものである。今期3年間には、7件の共同研究を行った。このうち2件は契約期間内に研究を終了し、残り5件は次期期間(2003.1-2005.12)でも継続して研究を実施することとなった。研究の多くは軽水炉燃料の高燃焼度化に対応した改良燃料や被覆管の照射挙動研究及びプルサーマルの本格導入に備えたMOX燃料の照射挙動研究である。
小森 芳廣
最新核燃料工学; 高度化の現状と展望, p.241 - 250, 2001/06
原研では、JMTRの利用に関し多様な利用ニーズに応えるべく、照射技術の開発が行われ、その結果多くの種類のキャプセルが開発され照射試験に利用されている。このうち、原子炉燃料に関しては、軽水炉燃料、高温ガス炉燃料、高速炉燃料等の照射試験が実施されており、定常的な中性子照射のほか、出力急昇試験,FPガス放出率測定試験,温度急昇試験等が行われている。本報告では、これらの照射試験に用いられる照射キャプセル,関連する計測制御技術等について概説する。
ホット試験室
JAERI-Review 2000-015, 113 Pages, 2000/09
本試験は、平成11年度のホット試験室の活動について燃料試験施設、WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである。燃料試験施設では、関西電力・高浜発電所3号機で照射されたPWR燃料集合体の後処理を開始するとともに燃料構成部材にかかわる照射後試験を実施した。また、所内利用として、NSRRにおけるパルス照射実験のための燃料棒短尺加工及び照射後試験、岩石型燃料の照射後試験等を実施した。WASTEFでは、廃棄物固化体の高度化に関する試験放射性核種の移行挙動に関する研究等を実施した。ホットラボではNSRRパルス照射燃料、軽水炉圧力容器鋼材、核融合炉用材料等の照射後試験を行った。
ホット試験室
JAERI-Review 99-026, p.118 - 0, 1999/11
本報告書は、平成10年度のホット試験室の活動について燃料試験施設、WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである。燃料試験施設では、関電・高浜3号機で使用されたPWR燃料集合体の照射後試験を実施するとともに、核燃料サイクル開発機構「ふげん」炉で照射された被覆管試料及びPWR燃料集合体構成部材にかかわる照射後試験を実施した。また、所内利用に応えてNSRRパルス照射用燃料の短尺加工、安定化プルトニウム燃料の照射後試験等を実施した。ホットラボでは、NSRR照射燃料、HTTR用燃料・材料及び原電東海1号機燃料モニタリングにかかわる総合評価を行った。WASTEFでは、高レベル廃棄物処理処分の研究にかかわる試験を継続して行った。
ホット試験室
JAERI-Review 98-023, 97 Pages, 1998/12
本報告書は、平成9年度のホット試験室の活動について燃料試験施設、WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである。燃料試験施設では、関電・高浜3号機で使用されたPWR燃料集合体の照射後試験を実施するとともにBWR及びATR燃料集合体の照射後試験が終了したのに伴い燃料集合体再組立を実施した。また、所内利用に応えて、NSRR照射用燃料の短尺加工、安定化プルトニウム燃料の照射後試験、高燃焼度燃料の特殊照射後試験等を実施した。ホットラボでは、NSRR照射燃料、HTTR用燃料・材料、核融合炉用材料及び原電東海1号炉の燃料及び鋼材モニタリングを行った。WASTEFでは、高レベル廃棄物処理処分の研究に係る試験を継続して行った。
ホット試験室
JAERI-Review 98-001, 92 Pages, 1998/02
平成8年度のホット試験室の活動について燃料試験施設、WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理と技術開発についてまとめたものである。燃料試験施設では、関電・高浜3号機で使用されてPWR燃料集合体、東電・福島第2発電所で使用されたBWR燃料集合体の照射後試験及び動燃・ふげんで照射された集合体の部材試験等を行うとともに、所内利用に応えて、NSRR及びJMTRでの再照射に供する燃料棒の短尺加工、高燃料度燃料の照射後試験、安定化プルトニウム燃料燃焼法に係わる照射後試験を実施した。ホットラボでは、NSRRバーンアップ燃料、HTTR用燃料・材料、核融合炉用材料及び原電・東海発電所の燃料及び鋼材のモニタリングを行った。WASTEFでは、高レベル廃棄物処理処分の研究に係わる試験を継続して行った。
ホット試験室
JAERI-Review 97-001, 118 Pages, 1997/02
本報告書は、平成7年度のホット試験室における燃料試験施設、WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理と、それぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである。燃料試験施設では、関電・高浜3号機のPWR燃料、東電・福島第2発電所のBWR燃料及び動燃・ふげん照射用燃料等の照射後試験を行うとともに、所内利用に応えてNSRR及びJMTRに供する照射済長尺燃料棒の短尺加工、高燃焼度燃料の熱拡散率測定等の照射後試験を行った。ホットラボでは、研究炉用燃料・材料、NSRRパルス照射燃料等の照射後試験を実施するとともに、原電・東海発電所の燃料モニタリングを継続して行った。WASTEFでは、環境安全研究部からの依頼に応えてガラス固化体及びシンロック固化体等の試験を行った。
中村 仁一; 遠藤 泰一; 石井 忠彦; 清水 道雄; 古田 照夫
JAERI-Research 95-083, 38 Pages, 1995/11
敦賀1号炉で照射された燃料棒を短尺化して燃料棒内圧計を再計装し、JMTR出力急昇試験設備を用いて、出力変動時のFPガス放出挙動を明らかにするための再照射試験を実施した。試験は最高出力約40kW/mでの定常運転と出力サイクル運転を行い、燃料棒内圧変化を測定した。出力変動時、特に出力低下時に顕著な燃料棒内圧の上昇が観察された。また、その上昇幅は直前の高出力保持時間に依存した。出力レベルを30,35,40kW/mと変化させて定常運転と出力サイクル運転を繰り返すと、いずれの出力レベルでも出力サイクル運転は定常運転に比べてFPガス放出をやや加速させる傾向を示した。この出力低下時のFPガス放出は、出力低下時の熱応力に起因する、結晶粒界上のFPガス気泡からの放出であろうと推定される。
鈴木 康文
日本原子力学会誌, 37(10), p.919 - 921, 1995/00
「軽水炉燃料開発の新しい展望」と題する報告書のなかで燃料物性に関する節を分担執筆するものである。プルトニウム利用の観点から、軽水炉燃料組成での燃料物性を概略する。主に熱伝導度を中心に新しい話題をとり上げた。
古田 照夫
JAERI-Tech 94-027, 152 Pages, 1994/11
軽水炉燃料の高燃焼度化に伴い添加されるガドリニアの燃料挙動に及ぼす影響を把握するに必要な基礎的データの取得、ジルカロイ被覆に関する水素吸収についての熱力学的データの取得、FPとの関係でペレット-被覆に生ずる癒着や炉心構造材の捕集についてのデータ取得を行った。その結果、ガドリニアがU/Zr反応を遅らせる影響を与えることや固溶体状態についての知見を得た。ジルカロイ被覆の水素化では溶解熱に差異が生じることや固溶酸素が水素吸収に影響することが分かった。FPのPdは、Zrと反応を生じること、Csはインコネルの腐食を加速するが、その影響は小さいこと等が明らかになった。
市川 逵生
原子力工業, 39(5), p.8 - 16, 1993/00
軽水炉における燃料の高燃焼化およびMOX燃料の利用に関し、わが国の現状をふまえて、諸外国の現状と動向について解説した。内容としては、各国における高燃焼度化の誘因と現状をのべた概要、技術的には、腐食、FPガス放出、変形、MOX燃料の特徴、新型燃料などについてのべている。
古田 照夫
核燃料, (17), p.17_44 - 17_45, 1992/06
日本原子力学会の核燃料研究者を対象に当研究室の活動状況を紹介する。即ち、軽水炉燃料の高燃焼度時及び負荷追従時の健全性研究として実施しているJMTR照射試験、照射後試験等、ハルデン原子炉計画による国際協力研究及び燃料ふるまい解析コード開発についての簡単な成果と今後の予定である。また、炉心損傷時の燃料ふるまいとして、TMI-2号炉のデブリ分析試験を紹介する。
古牧 睦英; 石川 二郎; 高橋 昭; 横山 淳; 桜井 勉; 大貫 守; 小林 義威; 安達 武雄
日本原子力学会誌, 33(5), p.489 - 497, 1991/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)燃焼度の異なる10種類の使用済軽水炉二酸化ウラン燃料小片(2~3g、5~8年冷却)を4M硝酸に溶解し、発生する揮発性核種(ヨウ素、クリプトン、キセノンおよび気体状トリチウム)の量および同位体組成と燃焼度との関係を求めた。分析法はキセノンを除き、それぞれの放射能測定によった。キセノンはクリプトンと共にガスクロマトグラフにて定量した。分析の結果、燃焼中に放出するヨウ素、クリプトン、キセノン及び気体状トリチウムの量は、燃料の燃焼度の増大に伴い、ほぼ比例して増大した。ヨウ素の大部分は溶解中に揮発し、若干量が溶液中に残存する。Krの存在比は全燃焼度にわたって、全クリプトン中約5%を占め、キセノンは、重量比で初期ウラン量の約0.4%を占め、気体状トリチウムは生成全トリチウムの約0.5%を占めた。
古田 照夫
原子力工業, 35(5), p.45 - 50, 1989/05
軽水炉燃料の出力変動時におけるふるまいについて、特に、PCIを中心にハルデン炉やJMTRにおける燃料照射試験結果とそれらのデータをもとに開発を進めている燃料挙動解析コード(FEMAX-IV)による解析結果について紹介したものである。
柳澤 和章; H.Devold*
日本原子力学会誌, 28(8), p.771 - 782, 1986/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.47(Nuclear Science & Technology)88BWR型燃料棒のペレット-被覆相互作用に及ぼす燃焼度と燃料設計因子の影響を検討した。その結果、(1)燃焼度の増加によりPCIは加速されること、(2)直径ギャップを小さくすると、PCIが加速されることが、明らかになった。(3)燃焼度15MWd/kgUで、同期20~25分の出力サイクル実験を平均線出力45kW/mと30kW/mの間で826回実施したが、燃料棒は健全であった。サイクル中の変形は弾性的で、サイクルの都度燃料にはPCI変形が生じたが、その数の増加と共にPCIは小さくなっていった。PIEによる燃料棒内ガス圧力測定の結果、サイクル棒とレファレンス棒の間に差はなかった。両者のFPガス放出率も拡散律速の√t(tは時間)依存型であった。(4)燃料棒のPCI破損には燃焼度依存性が観られた。PCI破損しきい値はHBWR条件下でPCI破損した燃料棒のそれと、等しいか又はそれ以下であった。PCI破損棒の緩和は小さく、破損時に軸方向伸びの急激な減少が生じた。
小向 文作; 河村 弘; 安藤 弘栄; 桜井 文雄; 新見 素二; 瀬崎 勝二; 小山田 六郎
JAERI-M 85-087, 23 Pages, 1985/07
JMTRのBOCAキャプセルを用いて、製造時ペレット-被覆管ギャップの異なる2本の88型BWR燃料棒(直径ギヤップ; Rod1: 90m及びRod2: 190m)の燃料中心温度度測定実験を実施し、出力サイクル及び出力急昇時の燃料挙動に及ぼす燃料棒設計パラメータの影響を調べた。得られた結果は次の通りである。(1)ギャップの違いによる燃料中心温度差は、300w/cmにおいて約120Cであった。またRod1, 2の燃料中心温度は、ともに第1回目原子炉起動時よりも第2回目の方が高かった。(2)出力サイクル及び出力急昇時の燃料中心温度は、各Rodの第2回目原子炉起動時の場合と同じであった。(3)Rod2の燃料棒伸びは、第1回目原子炉起動時が最も大きく、それ以後は出力サイクル数とともに減少した。(4)燃料ふるまいコード「FEMAXI-III」による燃料中心温度の計算値は、実測値と良く一致した。
中田 宏勝; 瀬崎 勝二; 中崎 長三郎; 石井 忠彦; 伊藤 治彦; 阿部 弘
JAERI-M 85-021, 36 Pages, 1985/03
材料試験炉では、軽水炉燃料ピンの出力急昇試験を行うための設備(BOCA/OSF-1)の開発と設備を昭和53年度より行って来た。本報告は、前報(JAERI-M8533及び同9343)に引き続き、昭和56年の9月から12月にかけて実施したBOCA照射設備の特性試験の結果をまとめたものである。特性試験では、まず装置の長期運転性能を確認したのち、BOCA照射設備を構成する沸騰水キャプセル、キャプセル制御装置及びHe出力可変装置について原子炉運転中に各種測定を実施した。その結果、BOCA照射設備は軽水炉燃料ピンをBWR条件下において2倍以上の変化幅をもって最大50kW/mまで出力急昇させると云う目標をほぼ満足していることを確認した。また、各装置も設計どうりの性能を有し、安定して作動することが確認された。